スイス議会が臨時議会招集へ、クレディスイス買収で
シリーズ クレディ・スイス危機,
エピソード 20:
国内最大の金融機関UBSによる同業のクレディ・スイス(CS)買収で、スイス連邦議会は、政府の公的支援を含め一連の手続きを審議する臨時議会を開く。
4月11日に始まる春期議会の会期中に開かれる。議会事務局が21日発表した。詳細は公表されていないが、審議は全州議会(上院)で始まる。
今回の買収を巡っては、社会民主党、急進民主党、中央党、緑の党など左派・右派問わず大半の政党が臨時議会の招集を求めていた。
19日に発表されたUBSのCS買収では、スイス国立銀行(中銀、SNB)がUBSとCSに1千億フラン(約14兆3千億円)の資金枠を提供する。また、連邦政府はUBSが将来被り得る損失を90億フランまで保証する。
この決定に対し、複数の議員から議会の関与を求める声が上がっていた。議会の規定によると、緊急公的支援が5億フランを超える場合、いずれかの議院の議員の4分の1の賛成があれば、臨時議会の招集を要求できる。
予定されている議題の中には、スイス第2の銀行の破綻の責任を追及する議会調査委員会の設置も含まれる。急進民主党と一部の左派がこの案を支持しているが、実現は困難とみられる。
英語からの翻訳・宇田薫
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