スイス政府、クレディ・スイスにボーナスの一時的停止を指示
シリーズ クレディ・スイス危機,
エピソード 16:
スイス政府はUBSによる買収が決まったクレディ・スイスに対し、従業員への特定の変動報酬の支払いを一時的に停止するよう命じた。
21日の政府声明外部リンクによると、株式報奨など2022年度までに給付が決まったが支払いが延びている従業員への報酬が対象になる。経営陣は既に変動報酬を放棄している。
ただし既に支払われた報酬は凍結の対象外。声明は「危機をもたらした張本人ではない従業員たちを巻き込むのを避けることも重要だ」と強調した。また今後の変動報酬に関して追加措置を連邦財務省に提案するよう指示した。
スイスの銀行法は、連邦政府が「システム上重要な銀行が連邦資金から直接的または間接的に国の援助を得た場合、報酬関連の措置を課す」と規定している。
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は15日、株価急落が止まらないクレディ・スイスに対する500億フラン(約7兆2千億円)の流動性供給策を決めた。それでも市場の信頼を回復できず、20日にはライバル行のUBSがクレディ・スイスを30億フランで買収することが決まった。
買収に当たってはSNBが両行に1千億フランの流動性を供給し、政府がUBSの被る損失を90億フランまで保証することで合意に至った。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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