クレディ・スイスの主要株主、追加出資を否定
シリーズ クレディ・スイス危機,
エピソード 6:
スイス第2の銀行クレディ・スイス(CS)の株価下落が止まらない。米国のシリコンバレー銀行の破綻の余波で15日朝には2フラン(約290円)を割り込み、過去最安値を更新した。主要株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加投資を否定する発言も伝わり、さらなる下押し材料になっている。
サウジ・ナショナル・バンクのアンマル・フダリ総裁は、これ以上のCS株の取得は「10%を超えてしまうのでできない。規制の問題だ」と述べた。サウジの首都リヤドで開かれた国際会議の後、ロイター通信外部リンクの取材に答えた。
サウジ・ナショナルの投資は日和見的で、時間に依存していないとも話した。「CSが提案した計画、改革案に満足している。非常に強力な銀行だ」
また「CSが追加の資金を必要とするとは思わない。自己資本比率をみれば問題ない。スイスや他の国で強力な規制体制の下で運営されている」と語った。
株価暴落
15日朝のチューリヒ証券取引所ではクレディ・スイス株が前日比20%超急落し、一時取引が停止した。
サウジ・ナショナル・バンクはサウジアラビアのソブリン系ファンドが株式の37%を所有する。昨年CS株を9.9%取得し、CSの大株主となった。
CSのアクセル・レーマン会長も同日リヤドで講演し、一連の不祥事で失った顧客や投資家、規制当局の信頼を取り戻そうとしている同行にとって、公的資金の注入は「問題外」と述べた。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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