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スイス政府、CS経営陣への報酬取り消しを決定

クレディスイスの株主総会
クレディ・スイスの経営陣は、銀行崩壊の責任を何らかの形で追うことになるのか © Keystone / Michael Buholzer

スイス連邦政府は、ライバル行UBSによる緊急買収が決まった金融大手クレディ・スイス(CS)の経営陣に関して、賞与に当たる変動報酬(未払い分)を全て取り消すか、最大50%まで減額するよう指示した。

政府が5日、声明で発表した。また、CSは支払い済みの変動報酬を回収できるかを検討し、当局に報告するよう義務付けた。

対象となるのは経営陣上位3層。2022年末までに付与された変動報酬の未払い分について、最高経営責任者(CEO)ら経営陣トップは全額を取り消し、そのすぐ下の層は50%、さらにその下の層は25%を削減する。

連邦内閣は3月19日、UBSによるCS買収を支援し、CSの破綻と金融市場への影響緩和を目的とした一連の措置を閣議決定した。措置には政府保証も含む。政府の声明では「銀行法第10a条は、システム上重要な銀行が直接・間接的に国家支援を受ける場合、連邦内閣が報酬に絡む措置を講じると定めている」としている。

スイス政府は3月21日、CSに対し、従業員への特定の変動報酬の支払いを一時的に停止するよう命じていた。

CSの4日の年次株主総会では、株主らによる経営陣への不満が噴出。役員への報酬パッケージ案は否決された。

英語からの翻訳・宇田薫

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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