The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

UBS株主総会、リスク懸念も買収には幅広い支持

UBSの株主総会
UBS経営陣は、株主の承認なしでクレディ・スイスの買収を決めたことについて説明した © Keystone / Georgios Kefalas

スイス最大の金融機関UBSは5日、ライバル行クレディ・スイス(CS)の買収合意後初の年次株主総会を開いた。2行の大規模合併に関し、株主からはリスクを不安視する声が上がったものの、幅広い支持が集まった。

バーゼルで開かれた総会では、UBSのコルム・ケレハー会長が「これらの事業の統合には膨大なリスクがある」ことを認めつつ、UBSはこの難局をうまく乗り切れると断言した。また、CS統合には、投資銀行の閉鎖を除き3〜4年かかるとの見通しを示した。

退任が決まっているラルフ・ハマーズ最高経営責任者(CEO)も課題はあると認めつつ、合併は好機をもたらすと強調。ウェルス・マネジメント、アセット・マネジメントで合計5兆ドル(約700兆円)の資産を持つ銀行が誕生し、UBSにとってさらなる基盤強化に繋がると述べた。

UBSは先月、CSの破綻と金融市場への影響を回避するため、政府の支援付きでCSを30億フランで買収する案に合意した。ケレハー氏は総会で、株主の議決を経ずに買収が決まったことについて「状況を安定させるために直ちに行動する必要があった」と釈明した。

UBSの株主からは、雇用への影響など合併のリスクに対する懸念の声が一部上がった。

UBS執行部の再選と上級幹部の報酬規定の承認については、目立った抗議もなかった。元CEOのセルジオ・エルモッティ氏がハマーズ氏の後任を務める。

英語からの翻訳・宇田薫

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部