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スイス連邦内閣、議会の否決は「法的効力持たない」

議会
スイスのカリン・ケラー・ズッター財務相は先週、連邦議会でUBSによるクレディ・スイスの緊急買収について釈明した © Keystone / Alessandro Della Valle

金融大手クレディ・スイス(CS)の救済買収に伴う政府・中銀の保証を連邦議会が否決したことについて、連邦内閣は議会の決定が「何ら法的効力を持たない」とする声明を出した。

内閣は声明外部リンクで、議会の否決は「認識している」とした一方で、計1090億フラン(約16兆円)の政府・中銀保証には影響がないとした。

連邦議会は先週、臨時議会を開き、CS買収に伴う政府・中銀保証を審議。上院は政府の対応を支持したが、下院が二度にわたって否決した。

連邦内閣は憲法の緊急事態条項を発動して買収への公的資金拠出を決めた。この緊急事態条項により、議会が否決であっても政府保証は確保される。

だが複数の弁護士、政治家らは、同様の決定は議会の承認を必要とすると定めた2010年施行の法律を根拠に、今回の内閣の対応を疑問視する。

だが政府は、6人のメンバーで構成する連邦議会の財務代表団から政府保証について事前に承認を得ており、問題はないという姿勢だ。

例外的な状況

また、3月19日に発表されたCSの緊急救済は「金融危機とそれに伴うスイス経済への深刻なダメージを回避するため、例外的な状況と高い緊急性の下で必要な」措置だったと改めて強調した。

内閣は「議会から保証枠の承認が得られなければ、国が既に行った対応の全部または一部を撤回しなければならなくなり、危機時に連邦内閣が行動できる余地が著しく損なわれるだろう」とした。

だが、政府は今後の作業や決定において議会の立場を考慮すると述べた。

「保証契約に関するUBSとの交渉にも適用される」としたが「これはUBSによるクレディ・スイスの買収を危うくしない範囲に限られる」と付記した。

クレディ・スイスは先月、政府が支援する形でライバル行のUBSに30億フランで買収されることが決まった。買収には計2500億フラン以上の保証・支援が入るため、批判を浴びている。

英語からの翻訳・宇田薫

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